聴ける幸せ



        8月に入院したときのこと。

        救急車で運ばれて10日間ほどの入院だったんだけど
        最初の2日間はCCU(冠動派疾患集中治療室)というところに入れられ
        とにかくおとなしーくしていなければならずほぼ寝たきりでした。

        洗面は看護師さんが持ってきてくれるタオルで拭うだけ。
        歯磨きは看護師さんが持ってきてくれるコップ1杯の水でゆすぐだけ。

        トイレはナースコールで看護師さんを呼んで車いすに乗せてもらい
        連れて行ってもらう。
        「鍵かけちゃだめですよ~中で倒れちゃ大変ですからね~」という
        ものすごくオープンな環境での排泄行為を余儀なくされ、
        トイレがちょっと長びけば「大丈夫ですか!?」と何度も確認され、
        すべてを終えて手を洗った段階で車いすに座りトイレ内から再びナースコール、
        看護師さんにベッドまで運んでもらうという
        超多忙である看護師さんなのに、お世話になりっぱなしの2日間だった。

        歩行禁止なので売店にも行けないし
        そもそも起きてちゃダメ、間食ダメ、つまりお菓子がダメでコーヒーもダメ。
        ベッドの上で何もすることがなく、ただごろごろ寝っ転がるだけ。
        たまたま救急車に乗るとき鷲づかみにしたトートバッグに
        コンデジが入っていたのをいいことに
        看護師さんや先生の目を盗んで
        ベッドで仰向けのままカシャカシャ撮るくらいのもんで
        (マネしちゃいけません)

        活字がない。
        音がない。
        音楽がない。

        当たり前の話なんだけど、CCUというところには
        テレビもねぇ。ラジオもねぇ。いんたーねっとは何モンだ?
        新聞は 売るけれど 売店1階行っちゃダメ~
        おら こんなへや いやだあ~(T_T)

        心臓のためには必要な環境であることはわかっていても
        精神的におかしくなってしまいそうな状況だった。
        ただでさえボケボケなのに。

        入院3日目の午後。
        めでたく一般病棟に移ることができ、
        その翌日の朝、娘がMP3プレーヤーを持ってきてくれて

        朝の検温や診察、いろんな検査を終えたあと
        やっとやっとやっとやっとやっと、
        4日ぶりに音楽聴けました。ロック聴けました。
        とにかくなんでもいい、とりあえず音だ音!
        再生リストの一番最初に表示してある曲をポチッと押しました。
        そうしてイヤホンから私の体に流れ込んできたのが、、、





        Queenの「Somebody To Love」。
        泣けた。
        ただただ泣けました。

        室温30度の暑苦しい病室で
        頭から布団かぶって枕に顔をうずめ
        声を押し殺して泣きました。

        Queenのメロディーが
        Queenのリズムが
        メンバー4人のエネルギーが

        乾ききった砂である私の体の隅々まで
        一気に巡り、染みわたったのでした。
        4日ぶりに、ようやく人に戻れた。
        大げさに聞こえるべか。
        いやマジでね、ほんとなんだわ。

        なんでもないときは
        好きな音楽を好きな時に、聴こうと思えば難なく聴ける。
        仕事の合間や通勤通学途中、休みの日など、
        都合がつけばすぐ聴ける。
        
        でもそれが許されない状況下にある人も
        世の中にはたくさんいるのだな。
        ちょっと考えればわかることだけど、
        元気な時はあまり考えちゃいない。
        聴けることが当たり前のようになってる。
        聴けなくなってあらためて辛さがわかりました。

        病気だけじゃなく
        世界には、音楽どころじゃないんだよという人たちだって
        悲しいかな、たくさんいるじゃないの。

        音楽を楽しめる幸せ。
        そして好きな時にそれを楽しむことのできる幸せ。
        当たり前のことじゃないんだよなあ。

        そんなことを今回の入院で
        いやというほど感じさせられました。



        昔、クイーンも観た。ストーンズも観た。
        そしてポールも観ることができた。
        もういつ死んでも損はないと思っていたけど
        楽しむ状況を許されるのならば
        ちょっとは長生きして音楽聴いたり
        へたくそなギター弾いたりピアノ弾いたり
        
        ご飯支度しながら菜箸やオタマ持って(←マイク代わり)歌ったり

        楽しめる毎日に感謝をしながら
        大好きな音楽のそばにいたい。
        味わいたい。

        Somebody To Loveを聴くたびに
        枕を抱きしめて泣いたあの日の心情がよみがえり
        鼻の奥がツーンときます(笑)

        もう、としとると、涙もろくてやんなるわー。(^^;)















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この記事へのコメント

  • シュガー・シェイカー

    すんません!!入院していたなんてちっとも知らずに・・・。
    そのころ俺は6月の弾き語りライヴ1回目の反省をふまえつつ、9月の2回目のライヴの準備などにいそしんでいたのです。
    俺も完全に健康体というわけにはいかないまでも、懲りずにライヴ活動をできているのは、本当に幸せなことだと思います。
    猪木じゃないけど「元気があればなんでもできる」。らいあさんも無事退院されて本当によかったですね。音楽を楽しめる幸せをかみしめたご様子・・・わかります!!
    おれなんか、入院してiPodやCDプレーヤー取り上げられたら、発狂するかも・・・。
    2015年11月24日 15:16
  • らいあ

    シュガー・シェイカーさん、
    おひさしぶりです(^o^)
    気持ちは若いつもりでも、加齢とともにあちこちガタがきてるんですよねぇ(汗)猪木さんの「元気があれば~」ほんと、そう思います。
    ライヴなさったんですねー!家で弾くのも楽しいけど、お客さんの前で演奏するのはまた格別、アドレナリンびしばし出まくる緊張感と高揚感がたまりませんよねぇヽ(●´∀`●)ノうらやましいです。
    何するにも体が資本、シュガー・シェイカーさんもお体大切になさってくださいね。

    で、病院の薬もあれだけど、それと同じくらいorそれ以上に、
    音楽って効き目絶大ですよね!(*^^)v
    2015年11月25日 13:56

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